トリッティーの壁から手




「おい、トリッティーなにを……」
「だから耳もってかれそうになるんだよ!」



いいかけた男の声を無視して叫んでみれば







「ボクは言いたいから言ったんだ!だから耳を引っ張ったあいつが悪い」



間髪いれず返ってくる言葉にまたも腹が立ってくる。


「面倒くさいわね……」



マレイネスは呆れて座りこんでしまった。


目の前ではブラウンと黒い子供が叫びあってとてもうるさい。



少し前までは驚きに目を丸くし、迷子みたいに不安で辺りを伺っていた子供が今じゃぁワガママに振る舞う子供に大声をあげているなんて……



子供のケンカほど面倒くさいものはない、間に入っても話を聞こうとしないのだから。



それに止める役はもういるのだし……




鋭い爪の先をなぞり、ボゥッとしていると確かに耳には男の声で制止の声。




マレイネスは顔を上げるわけでもなく爪をなぞってはボンヤリと眺めていた。