トリッティーの壁から手




勢いよくトリッティーの体が跳ねあがる、花の咲いた帽子は右に傾き顔はひどく歪んだ。


よく見ると左耳が奇妙に伸びて赤くなっていた。



「いたいいたいいたいぃ!?」


足をバタバタ、引っ張られた耳に手を当てて叫んでアーモンドに似た黒目には涙をためこんで……



「口の悪さをどうにかしろ、トリッティー」



小言とともに耳の形が戻ったもののトリッティーは「うるさいなぁ」なんて反抗したり。



とても言ったくらいじゃ解りそうにない



叱る男も苦労してるんだろう、チャールズは少し気の毒に思いながらも話の続きを催促した。



柔らかい声で「すまない」と返事をされれば思わずトリッティーを見てしまう。



「……チャス、言いたいことは目じゃなくって口で言うもんさ」



気付いたトリッティーがジトリ、耳の痛みをチャールズに向ける視線、思わずカチンときてしまった。