トリッティーの壁から手




「さて、チャス」



「なんだよ……」




出てきた途端に少年の顔は真剣になるもんだからチャールズは嫌な予感がする。



「これは大事にしてもらわないと」



いつのまにやらトリッティーが手にしていたのは、あのボロボロの本だった。




「あ」



落としたはずなのに、いつの間に拾ったのだろう……


「これはチャスにとって大事なものだ、あとボクたちにとって生命線になるんだから大事に持っておいてよ」



ぐっと押し付けるように渡されると今にも崩れるとばかりに飛び出していた紙切れがカサカサ落ちた。



感触は最悪なもので、本はざらざら、力を入れれば穴が空きそうな位もろい。