トリッティーの壁から手




「ふぅ……」



疲れたため息は思いの外響いてもみんな気にしない。


それはそれでいいけど……こいつら一体なにしてるんだろう?



地震の脅威が去った今、チャールズはこの薄暗い場所から出たかった、が、












カタンッ




キイィーー。





木を擦りあわせた甲高い音。

あの小さな窓が小さく開いた。

そして

カタン、カタカタ



ぶつかった衝撃で窓の花瓶が円を描いて倒れまいと揺れ動く。




衝撃を与えた張本人は音もたてず、フワリ、フワリ、空気を踏んで足をエメラルドグリーンに着けた。











チリンリンーー。






最後には首にかかる鈴の音が居場所を教えたが本人は気にもせず、白い体を目一杯伸ばし、ピンッ、と長く伸びた尾を天井に伸びをした。









「あれって……ねこ?」




チャールズが呆気にとられてつぶやいた。




それにトリッティーは目だけ向けてまた前を向いた。