以心伝心! 志氣高校 洋将棋部

 「…株主?」
 彼女の僕の顔とその券を見比べた。
 

 「いや、親がですよ」

 
 なんか、スネ夫みたいな言い方だ。
 
 いやぁ、パパがさぁ~~、……なんて。 

 親父は武勇伝として「何も分からずに買った株が今や誰もが知るコーヒーチェーンでね」と誇張して言っているのではないらしい。
 現に彼はコーヒーが飲めない。株を買う上で何の先見性を持たないとしたら、せめて自分の好きな業種を選ぶに違いないし……。
 
 まぁ、その辺りの詮索はいいや。
 
 ともかく。

 彼のコーヒー嫌いが幸いして、『スターバックス』の“無料コーヒー”は、現状の僕に許された唯一の贅沢になっていた。