「ここが?」
僕は扉の前で思わず訊ねた。
「なんだ、この部屋?」
扉をあけた瞬間、それが奇妙すぎる部屋だと分かった。
けれど、その僕の問いは答えられないまま、話は進んだ。
やれやれ、今日のカニ座は他人に翻弄される日のようだ。
「アンラッキーアイテムはチェスの駒」なんて…な
「お! 新入部員か?」
体育館からかっぱらってきたらしい体操マットに寝転がっていた男が、まるで小猿のように機敏に、好奇心旺盛に飛び起きた。
「これで、"大会”出れるな!?」
「そう、ミヤコの“パートナー”にする」
と、三笠。
「上手なの?」
ピアノのイスに座ってグルグル回転していた女の子が、その回転を止めて言った。 ――そう、なんとピアノまであるのだ。
「つーか、ミヤコ、嫌がるんじゃない?」
「……」
そしてその教室にはもう一人、女の子がいた。
ペットボトルのコーラに何やらスプレーで気体を吹き込みながら、じっと僕を見つめていた。
僕は扉の前で思わず訊ねた。
「なんだ、この部屋?」
扉をあけた瞬間、それが奇妙すぎる部屋だと分かった。
けれど、その僕の問いは答えられないまま、話は進んだ。
やれやれ、今日のカニ座は他人に翻弄される日のようだ。
「アンラッキーアイテムはチェスの駒」なんて…な
「お! 新入部員か?」
体育館からかっぱらってきたらしい体操マットに寝転がっていた男が、まるで小猿のように機敏に、好奇心旺盛に飛び起きた。
「これで、"大会”出れるな!?」
「そう、ミヤコの“パートナー”にする」
と、三笠。
「上手なの?」
ピアノのイスに座ってグルグル回転していた女の子が、その回転を止めて言った。 ――そう、なんとピアノまであるのだ。
「つーか、ミヤコ、嫌がるんじゃない?」
「……」
そしてその教室にはもう一人、女の子がいた。
ペットボトルのコーラに何やらスプレーで気体を吹き込みながら、じっと僕を見つめていた。


