以心伝心! 志氣高校 洋将棋部

 「やれやれ――」
 三笠は、やれやれ、と首を振ってみせる。
 「でも、お前のギラギラしたその感じ、嫌いじゃないんだ」
 「人間の社会を呪ってる。 けど、呪うのも人だけが持つインテリジェンスの一つだからな」


 「犬は相手を呪えない」


 「そう。だが、今日は犬になれ」
 三笠はナイトを僕に放り返した。
 「社会を呪うな。バカな同級生を尊べ。大人を信用しろ。そして―――」

 
 僕は片手でナイトをキャッチした。
 

 僕がキャッチするの確認して、三笠は続けた。
 「――そして、ミヤコにそれを返せ。自分の手で」
 「んで、『もう一度、君に会いたかったんだ』と言え」