以心伝心! 志氣高校 洋将棋部

 「――で、アンタさ。 犬のIQ知ってるか?」
 僕は言った。
 ボンヤリした日々に、『“世界が善と決め込んでいる『青春』”を見極める』という目標を持ったからだろう、僕を支配するのは清々しい気持ちだった。


 「――何だ、さっきから。何の話だよ?」
  三笠は外人が「Oh No~」とするように、両手を広げ困惑を示した。
 本当にいつも、ミヤコという名のあの娘に振り回されているのだろう、その所作はよく似合う。
 「……ミヤコといい、お前等は本当に、俺らホモサピエンスとは違う種なのかもな」


 「じゃあ、ホモサピエンスを代表して答えろよ」
 僕も笑った。


 「犬のIQ?」
 三笠は腕組みをした。
 「う~ん、50ぐらい?」

 
 「18だよ。IQ18」


 「低っ!」


 「あぁ、全く。 どおりで同級生がバカばっかな訳だろ?」
 僕は頷いた。
 「みんな、青春とかって言い訳して、つまりは発情期の犬に成り下がってるんだからな」