以心伝心! 志氣高校 洋将棋部

 当たり前の事だ。
 あの娘はコイツに惹かれてる、ただそれだけの事だ。
 
 
 同族として僕に興味を持ったのかもしれない、けれど心はコイツにある。
 
 僕が自分の肋骨を切り開いて体内をまさぐり、凍結した心を引っこ抜いて、あの娘と共鳴させる必要もなかった。
 彼女を解き放ってやるのはコイツの役目であり、僕はそれを傍観すればいい。

 傍観すればいいだけだ。 

 「……気楽なもんさ」


 「は? 何の話ぃ?」
 さすがの三笠も、僕の心理的な変化を読みとれなかったようだ。


 「いや、なんでもない」