以心伝心! 志氣高校 洋将棋部

 「そうか…」 
 僕は同時に、もう一つの事実を悟った。


 「ん?」


 そうか…。
 この三笠って奴が、一年前、15歳だったミヤコという名のあの娘を“救ったんだ”。

 彼女は、『15のとき死ななくて良かった』と言っていた。
 誰かが、彼女を生きる方向へ、いざなったハズだ。
 
 レールを切り替えたのだ、誰かが――。
 

 そうか、それがコイツか。
 
 僕は直感した。理由などは無かった。
 ただ、奇妙なほどの確証を心の奥に感じた。
 

 「いや…何でもない」
 その確証は僕の緊張の糸を切った。
 そう考えると不思議なほどに、心が楽になった。