「あの、さ。兵藤くん」 「何?」 控え目な声で、咲都が俺を呼ぶ。 目を泳がせどこか落ち着かない、そわそわした様子だ。 どうしたんだろ。 さっきまでの強気で男前な咲都は何処へ……? 「兵藤くん」 「うん……」 「さっきは突拍子もなくウザいなんて言って、ごめんね……?」 ──ヤバい。 ヤバい、ヤバい。 咲都が……、咲都が上目遣いに俺を見ている……! 無駄に高く成長してしまった俺の身長に、この時初めて感謝した。 世界一綺麗なお姉さんのお色気攻撃よりも、絶対こっちのが威力デカいって。