相棒を待っている時、β版から付き合いのある友人から聞いた話を今更思い出す。
有り得ない…。それが本音だった。
しかし、心の底では何かを期待している自分が居た。

ヘッドフォンの向こうでは今日も3台のPC(パソコン)がフル稼働する音がする。
ぼんやりすると現実か幻か判断できなくなる。
真っ暗な室内、静かな空気、定期的な機械音…。


その時、メールが届いた音がした。
すぐにメールボックスを開けて確認する。
それに私は返事しようと返信ボタンを押した。

送信もしていないのに新たなメールが届いた。
気になってそっちを開けてみる。

文字化け。

知らないアドレスから届いたメールに、気持ち悪さと不信感を抱きながら見つめる。

するとドアをノックする音がした。
「チェシャ猫。」
カチャリ。
現れたのはジャンヌダルク。
「メール見た?」
小首を傾げながらやってきた。

私は首を横に振り、メールボックスを彼女に見せた。
「…変なの来た。」
「アタシの事?」
両手を腰に当てて怒っている様子。
「違うわ。キアロの後に来たメールよ。」
ちょっとおかしくて、笑いながら訂正してしまった。

彼女は顔を赤らめながら近付いて来た。
恥ずかしかったようだ。