身体が石のように固まったような気がした。
ただ…ただ身体の熱がひいて冷たくなる感覚でいっぱいになった。


《突然の御手紙、申し訳ございません。驚かれましたか? 巧哉様と外の世界を見ることが出来たあの日から…私の中の時計は止まってしまったようでございます。しかし、それを心地よく…そして嬉しく思うのです。あの夢の一時のままなのですから幸せでたまりません》

―――私達の時間は今からではございませんでしょうか?


《先日より父上から隣国との縁談の話を聞きました。きっと私はその運命に従うしかないのでしょう……時代、身分などなければよいのに》