――ドンッ!! 「あら、いたの高木さん」 「……ごめんなさい……」 「邪魔なんだけど、どいて頂ける?」 「はい……」 あたし、高木海。 中学3年生。 セミの泣き声がうるさいくらい響く8月の夏。 あたしは超豪華なお金持ち学校、私立華の浦中学校の3年生。 といっても、あたしの家は超平凡で、もちろん他の人はみんなお金持ち。 だからだと思うけど、あたしはここ数週間嫌がらせに合っている。 唯一の親友の香並リンちゃんは今フランス留学していて、学校にはいない。