シャッターが目の前に見えなくなって紅龍の皆が視界を支配した。 それからの私はもう昔の紅花じゃない。 皆に涙でどんどん、ぐちゃぐちゃになって行く顔を見せてしまう弱い黒瀬蘭だ。 私は凄く弱くなった。 あの事件があって。 変装して男子校に行って。 青虎のみんなに会って。 龍に会って。 私は守る立場じゃなくていつの間にか守られる立場になってた。 紅龍のみんなにも。 隼人にも私は守られていたんだ。 だから涙が出る。 皆の優しさが暖かいよ。 今まで気付かなかった優しさが―… 暖かい。