蘭side



「な…んで姉貴を?」



擦れたシュウマの声が聞こえたのは私が泣き止んだ時だった。


言葉の意味からしてシュウマは起きてて私が泣き止むのを待っていてくれたんだね…


「おい、ラン?」


「あっ、ごめんね。女嫌いだったよね?」


もう一度聞こえた声に"女嫌い"と言う理由でシュウマから離れた。



「シュウマ―…。」



でも、私を見つめるシュウマからの目までは離せなかった。


柚さんに似たその目までは…



今悲しい顔してるシュウマはきっと知らない。








柚さんが―…















シュウマと蔵御堂家を残して


















何で自殺したなんて―…。




























きっと理由を知らない。
















いや、あの柚さんが言うわけない―…













いつも人の1番を考える優しい人だったからね―…。