クリスマスの夜に、一人の男の子が産まれた


その子は、ある老夫婦にやっと授かった


初めての命


一人息子のリクは
大事に大事に育てられた


「貴方、やっと私たち夫婦にも家族が増えたわね」


「そうだな。この子は、神様からのプレゼントだ」


「私たちももう若くはないわ。この先何年この子と居られるかわからないけれど……大事に育てましょうね」


「あぁ。そうだな、辛かったろう苦しかったろう…母さんありがとうな」


「そんなことないわ。貴方にそう言ってもらえたら痛みも苦しみも全部忘れてしまえる。」


二人は手と手をとりあってにっこりと笑った