その大きな手は、黒い携帯電話
に触れ、アラームを消した。

覆い被さる、体・・・

上半身裸の男性の広い背中に
なぎの華奢な白い腕が絡まる。

絡まり、起き上がろうとする
男性を繋ぎとめて放さない。

「ナギ?」

「ユウさん、もう少し
 このままでいて」

見つめる瞳・・・

私は、貴方に融けていく。
 
「ねぇ、チュウ、して?」

男性の唇が、なぎの
唇に触れる。

離れる唇・・・

優しく髪に触れる左手
薬指に輝く指輪。

無精髭が似合う
中年男性。