「翔ちゃん、ソラ家に帰らなきゃ」


「おばさんから伝言。今日は早番で3時には仕事あがれるから、奏来を頼むって」


「…あ」


「ん?」


「なんかね、変だと思ったの。おこづかいの日でもないのに、お母さん、今朝お金くれた…」


「なっ?またどっか行こうぜ」


「でも…。おばあちゃん…」


「んー…。どうしても?」


「…うん」


「じゃ一ヶ所だけ寄って帰ろう、な?奏来はどこがいい?」


長い髪を耳にかけ、首をかしげる。


「えっと…。じゃあ図書館…かな」


「オッケー。じゃ、このまま少し歩くかっ」


「うん」