ガラスのタンポポ

「翔ちゃん、カゴ持って?」


言って、奏来はアイスのケースに小走りで駆け寄り、あれこれ手に取って迷ってる様子だ。


「アハハ…」


そんなに迷うんなら、好きなの全部買っちゃえばいいのに。


「迷っちゃうなぁ。王道のバニラか、生キャラメル入りか…。う〜ん…チョコも捨てがたい」


「3つとも買ってやるから、ホラ、カゴん中入れろよ」


「あ、え…でも悪いし」


「晩飯のお返し」


奏来の手から3つのアイスを取って、人数分のアイスを適当に選びカゴからレジへ直行。


「いいの?翔ちゃん?明日のやきそばパンの分のおこづかいある?吉永くん達とラーメン食べられる?」


「ハハッ。大丈夫だって」


「じゃあ、ごちそーになりますっ」


アイスと引き換えにこんな笑顔見られるんなら、オレ、毎日買ってやるよ。