ガラスのタンポポ

「うんっ、わかった。じゃあ、待ってるね」


電話を切ると奏来は、


「聖ちゃんも来るってー、お母さん!」


「あら、そう。そういえば明日、お父さんの月命日だものね。聖ちゃんは相変わらず律儀ねぇ」


「翔ちゃん、聖ちゃんがお仕事から帰って来るまで、ご飯待ってられる?」


「あ…うん、いいけど。オトばあ、寝ちゃって」


「あら?本当だ。風邪ひいちゃ困るから、毛布持ってくるね」


奏来はオトばあの部屋から毛布を持ち出し、肩からかけてやると、再びキッチンに戻った。