ガラスのタンポポ

オトばあはあやとりに飽きたのか、車椅子の上で眠そうに静かに目をつむり始めた。


こういう時間も嫌いじゃない。


奏来の家は、おじさんが亡くなっても、オトばあが病気になっても、時間をかけて形を変え、ちゃんと居心地のいい場所になっていく。


似ている。


いつも遊んでいた、あのタンポポの公園に似ているんだ。


日射しが温かくぬるい風が吹いて、気の早いタンポポが数本綿毛を作る、あの公園に。