ガラスのタンポポ

おばさんは近くのクリーニング店で働いている。


おじさんが亡くなって、オトばあが発病してから、しばらくは働かずにいたが、奏来の進学のためなのか、顔見知りのクリーニング店にパートで勤めるようになった。


お金に困ってる様子はない。


おじさんの両親が残した遺産やらおじさんの保険金、オトばあの年金で、暮らしにギスギスしたものは感じられない。


おばさんが寝室から着替えを済ませて出て来る。


「あら、奏来。ご飯作ってくれたの?」


「うん。冷蔵庫にあった物で、マーボーナスと白菜のお浸しとね、えっと…」


奏来はソファーから立ち上がり、おばさんと2人で食事の準備を始めた。