ガラスのタンポポ

次の日の朝早く、兄貴だけが奏来ん家へ呼ばれた。


病院に行くので、付き添ってほしいとの事だった。


オレが学校から帰ると、兄貴はつけっぱなしのテレビは見ずにタバコを吸っていた。


「兄貴、オトばあは…?」


「あぁ。今日も俺をおじさんと思い込んでたよ」


おじさんが亡くなったという、一時的なショックなのか。


それとも…


「病院では、何て?」


兄貴は深く溜め息をつき、ジッとオレを見つめた。


「いいか、翔。オトばあはもう前のオトばあじゃない」


なんとなくだった悪い予感が的中したんだと悟った。


オトばあは…。