ガラスのタンポポ

奏来は対兄貴、対オレだと自分の事を“ソラ”と呼ぶ。


それが子供の頃と変わらないオレ達の距離を示しているようで、安心とくすぐったさを感じてしまうのに。


対オレだけにならないかな、と、思ってしまうのはオレの欲張りなのか、な…。


奏来はソファーから立ち上がりながら長い髪を手早くくくるとすぐにキッチンに行き、冷蔵庫の扉を開け閉め、包丁の小気味良い音を響かせた。