*********** 鞄を置き戻りもせず、奏来の家におじゃまする。 おばさんは仕事だし、オトばあはまだ施設から戻ってきていないので、奏来と2人きりだ。 わずかだけど、この時間がオレにとってはかけがえない。 「着替えてくるから、待っててね」 リビングにオレを残し、奏来は部屋へ入る。 ウチと同じ間取りだし、勝手知ったる奏来の家なので、いつものようにソファーに座り、テレビの電源入れて。 つまんない芸能ニュースをボーッと見ながら奏来を待つ。