ガラスのタンポポ

泣いちゃいけない。


奏来の前で泣いちゃいけない。


そう思ってるのに、涙が次から次へとこぼれる。


淡いブルーの便箋を濡らしていく。


本当なんだ。


奏来のガンは本当なんだ。


あのか細く透き通った声は、もう二度と聞けないんだ。


だから奏来はあの日、カラオケに行くと言った。


奏来の声を忘れないでと言った。


オレのケータイに


「翔ちゃん、大好きです。ありがとう」


と、残した。


そして奏来は。


オレじゃなく兄貴を選んだ…。