ガラスのタンポポ

「奏来は…喉頭ガンだ…」


ガン…?


奏来が?


待てよ。


わかんねーよ。


頭を殴られたような衝撃だけで、思考回路が追いつかない。


「喉頭ガンだ」


兄貴が繰り返すのを聞いて、オレはベランダにいる奏来を振り返った。


「翔、オトばあが肺炎になりかけた頃、奏来が喉が痛いって言ったの、覚えてないか?」


あぁ、そういえば…。


風邪の症状はないのに喉が痛いと、あの小さなおにぎりすら食わなかった事があった。


「ガンの初期症状だったんだよ」