ガラスのタンポポ

「ウチ、805!」


くったくのない笑顔を見せるおばあちゃんに、オレが初めて投げた言葉。


おばあちゃんはソラの身長に合わせかがむと、オレ達に手招きをした。


兄貴と一緒に近づくと、ソラは今にも泣き出しそうな表情を浮かべた。


「ボクが天宮 聖(あまみや せい)で、こっちが弟の翔(しょう)です」


「しっかりしてるわねぇ。ごめんなさいね、この子、恥ずかしがり屋さんでいつもこうなの。でも、慣れるとすぐにお友達になれるのよ。ね?ソラ?」


ソラは何も言わず、おばあちゃんの陰からオレ達をチラッと見ただけだった。