ガラスのタンポポ

「あら、お友達が来たよ、ソラ」


おばあちゃんと呼ばれたその人がオレ達に笑顔を向けた途端、女の子は立ち上がり陰に隠れた。


おばあちゃんの陰から、こっそりオレ達を眺めるソラという女の子。


まるで、おびえた仔猫のようだった。


「ここの団地の子かい?」


「ハイ。あのマンションです」


兄貴が家の方を指差し、しっかりとした口調で答えた。


「あら、ウチが越してきたマンション。ソラ、お家が同じのお友達だよ?」


ソラは何も言わず、小さな体をすっかり隠してしまった。