ガラスのタンポポ

もっと高くこいだら、どうなるんだろう。


あの子はその名前のように、高く透き通った空に溶けて消えてしまうんじゃないのかな…。


そうだ、きっと消えてしまう。


それ程にはかなくて、頼りない女の子。


そう思うといつもたってもいられなくて、オレは、兄貴の一歩前に出た。


芝生のカサッという小さな音と同時に、女の子の大きな瞳はオレ達を捉え、キリキリと静かにブランコは宙を泳ぐのをやめてしまった。