ガラスのタンポポ

みんなで部屋を片付け、全てが終わった。


終わった。


オレは結局、何もできずに終わった。


奏来をお祭りに連れて行く事も、オトばあをなだめる事もできずに。


奏来は部屋に入り、着替えを済ませるとおばさんに招かれダイニングのテーブルについた。


熱いコーヒーが目の前に置かれると、オレは一番に口をつけた。


苦い。


虚しい。


オトばあを、奏来を助けられたのは。


オレではなく。


兄貴だった…。