ガラスのタンポポ

「行こうぜ!真之達待たせちゃ悪いし」


「…ごめんなさい、翔ちゃん。…行けなくなっちゃった…」


小さな奏来の声をかき消すように、家の奥からただならぬ悲鳴が聞こえた。


「どうした?」


「行けないの…」


玄関の奥からおばさんが顔を出す。


「奏来、おばあちゃんの事は気にしないで行ってきなさい」


「だって…」


「ヒィーーーッ!!」