その日も、翌日も、休日だった。

それはとんでもなく長い休日のはじまり。

ぼくはもちろん、きみにこのことは話さなかった。
きみにこのことを言えば、きみはきっと恐ろしい顔をして、ぼくと口をきかなくなるのをわかっていたからだ。



朝早く、いつも通り暖かいいってらっしゃいを聞き、ぼくはきっちりとスーツを着て家を出て行く。


向かう先は、通い慣れた駅ではなく、近所の小さな公園。
遊具の少ない寂れた公園。
昨晩、布団に入ってから必死に考えだした場所。


ぼくは、血のような、鉄の臭いがぷわんと鼻を突き抜けるのを確認すると、小さくブランコに腰かけた。