ここでぼくには選択肢が現れる。 振り落とすか、案じて助けるか。 きみがぼくに掴まる理由が明確にはわからない。けど、どうしても助かりたいと言う気持ちは痛いほどわかる。 それ以外に、ぼくに掴まる理由がほしい。 もしぼく以外の手でも、きみは掴まるのか? 許さないことはない。それどころか、穏やかにその光景を見つめるかもしれない。 きみが次にぼくにかける言葉を、必死に詮索しているのが、酷く痛々しかった。