きみは崖に掴まる手を、決して諦めないがごとく離さないかもしれない。


ぼくは手を差し伸べるのか、どうか、救いようのないのはどちらか、まだわからないでいる。


きみは言葉を詮索する。
助けて、とか。見捨てないで、とか。
もっとも人間くさい言葉でぼくを攻撃するのだろう。



きみの今にも泣きそうな顔が、どんどんとぼくの寿命をえぐっていく。

鳴り止まない鼓動が、ぼくに真っ当な表情を勧めるから、きみを助けたいと思う気持ちが生み出されてしまう。



「・・・・・・・・・―――。。」

きみの言葉が言葉になっていない。いや、ぼくが聞き取れていないのか。

きみはぼくの顔を見て、今までとは僅かに違う表情で口を動かしはじめた。きみは上手い。

どうやら、次のきみの言葉が、全ての正解らしい。