きみがあまりにもぼくの顔を見るから、後ずさることもできなくて、必死に華奢な椅子の上でもがいた。 「もう・・・・・・別れる?」 きみは言う。ぼくを叩きつけたつもりだろう。構わない。ぼくはそんな痛み、感じない。 どちらが崖から落ちそうか、よく考えてみて。 「収入のない人なんて・・・・・・・・・・・・」 確かにそうだね、ダメだもんね。 ため息まじりに、ぼくはぼくとしての欲望を吐き出しそうになる。 ぼくがいま、崖から落ちそうだとすると、きみはいま、ぼくを涼しげに眺めるのか?