例えば、きみが今にも崖から落ちそうな危機的な状況に陥っているとしよう。


きみが掴まっているのは焦げすぎたクッキーのような岩場。あと数秒で落ちる!っていう合図をさ、それは語ってんだ。



そこにぼくは笑ってたっている。
とても奇妙だときみは思うだろう。ぼくもそう思う。


きみが悲痛な表情をするたびに、ぼくの笑顔は増長していく、とても奇妙だろう。


で、手を差し伸べてみるんだ。そりゃあ、きみを助けたいからね。死んでほしくはない。


どうする?この手に掴まるの?
ぼくはそう問う。きみが必死に言葉を無視して勝手に手をつかむ姿が思い浮かぶ。