私も、できるだけ早急の解決を望んでいます。恐らく、ある部分では警察よりも濃厚に遺族の方と接触している私です。だからなおさら、その悲しみをもろに体感しますし、不安を抱くデスクの内情も察せられます。記事に写真を添付することで事件解決の近道とするのは、もしかしたら、デスク自身のためでもあるのかもしれません。自分の娘さんに、火の粉が降りかかる前に火事を消したい。この事件は、子を持つ親ならだれもが回避したい、言わば人災の域に達しているのでした。

ですが、困ったことに私には名探偵のような閃きもなければ、警察のような特殊権力、鑑識官のような技術もないのです。ドラマや映画のように、たとえどれだけ地道な調査をしても、私では、どうすることも。できて、祈ることぐらいです。

「――でも、もしかしたら……」

「ン? なんか言ったか?」

「あ、いえ……」

慌てて取り消しつつも、私は、考えていました。ただいま禁煙中の、あの奇妙な人なら――ひょっとしたら、名探偵のようにあっさりと事件の真相に至れるのではないか。

なんの根拠も、ありませんが……彼に話を聞いてみるのも、ひとつの手だと、思いました。