はじめてのった かんらん車



となりに座る ゆう気のないぼくは



さえぎるもののない まっすぐなきみをみて  



いろんな表情をする きみの脚が



べつの生きもののように ことなったことばで



ぼくに語りかけるのをきいて



はずかしくて



こまる






二度めにのった かんらん車



すわってしまった きみのとなりに



これでよかったのだろうか



そんな後悔



きみの耳が



うなじが



あごのなめらかが



ぼくの目を



なぶる




そうしてたまりきった先っぽに



こっちをむいたきみの 







くちびる



すいついて



はなれない






三度めにのった かんらん車で



ぼくたちはたったふたりの 乗組員になる



地上からうちあげられた 箱船で



そらにあがり



星をとらえ



街の灯をみる



ぼくの身体のなかに きみの空気



きみの身体のなかに ぼくの空気



息の挿入で



脳がつまる



ゆっくりゆっくりと



ふたりのじかんが降りていき



ちじょうにもどり



いつもにもどる






ぼくたちの、じかん



ぼくたちの、ラブ