朝に目覚めると




妻がプレステ3になっていた




ぼくは、本当のことを言えば、どうせゲーム機になるのなら、Wiiがほしかったのだ




だが、となりでは、妻が、まちがいなく、プレステ3になっている




いつ、どのタイミングで、それはおこなわれていたのか、ぼくには気づけなかった




これはぜんぶ、ぼくの責任なのだ




そう思った




潜在的に、Wiiがほしいとねがっていたからかもしれない




いや、ほしくないとねがっていたから、そうなってしまったかもしれない




そもそも変化をのぞんだこと自体が、この不幸な出来事を生んだのだ




むしろなぜ、ぼくではなく、妻なのか!




ぼくはいつまでも、メソメソと、ベッドの上で泣いた




そしたら妻が目覚めて、こう言った




「泣いてないで、とりあえず遊んでみたら」