その瞳は、あの日の
茅野さんと伊吹が抱き合う
姿を見ていた芳野と同じ・・・

悲しいまでに、狂気を含んだ
嫉妬の眼差しが、私に
突き刺さる・・・

その瞳に気づいていない
芳野は、伊吹に告げる。

「俺は、ヒイロと近々
 入籍するつもりだ」

芳野の言葉に驚いた
私は、彼に聞いた。

「入籍って、ヨシノ?」

「俺とヒイロは、結婚する」

芳野の決心の言葉に
私の胸は震える・・・・

感動して、言葉にならない。

「・・・そうか
 
 おめでとう・・・」

私も、芳野も驚いてしまって

何も言えなくなる。

どうして、何も言えないのか?