今、ここにある荷物
全て・・・

伊吹さんが、支払いを
済ませてくれた。

もう、これ以上
彼に甘えてはいけない。

働き場所を見つけて、一人で
生活ができるようになるまで
の間、私は彼に衣食住の全て
の面倒をみてもらわなくては
いけない。

それだけでも
図々しい話なのに・・・

化粧水や、口紅が無くても
髪を梳かせなくても構わない。

お洒落なんて、今の私には
必要ないもの。

お化粧をしなければ、洗顔
クレンジングだって必要ない。

顔を洗うのは石鹸で構わない。

伊吹さんは、ポケットから
財布を取り出し、お札に
触れる。