僕は電話で、六時に某所へ行くよう言われた。
だから、二日酔いで重たい体に鞭(むち)を打って来たのだ。

だが、今何故こんなことになったのか見当もつかない。

僕の胸ぐらが乱暴に掴まれる。

「あんた、誰」

「え。誰って」
そう俺は答えた。

胸ぐらを掴まれているので上手く喋れない。

今どきの女子高生は、ものを尋ねるとき、胸ぐらを鷲掴みするものなのだろうか。

そう思っていると、他の女子高生が声をあげた。

「あんた、美樹と住んでるんでしょ」

「ああ。二週間前から」

なるほど。読めた。
この女子高生達は、安藤美樹の友達なのだろう。

安藤美樹は家出をして、なんだかんだで僕は彼女と知り合った。

この子らはなんらかの手段でそれを知り、美樹を連れ戻すため、僕に連絡を取った。

胸ぐらを掴まれているのは、僕が彼女にいかがわしいことをしただの、たぶらかして家出させたのと誤解しているのだ。

これでつじつまが合う。

「友達が見ず知らずの男と住んでるんだから、君らが心配なのは分かる。けど僕は」

そこまで言うと、胸ぐらを更に強引に引き寄せられた。

「ちげーよ」という荒っぽい声が耳を突く。