「これは一体どういう事!?」

仕事から戻った琉嘉が血相を変えて、あたしにスポーツ紙と週刊誌を突きつけた。

「え…?」

最初は何の事だかわかんなくて…とりあえず渡された新聞の一面に目をやった。

「…?!」




───嘘…っ!


そこには確かに、あたしと…鷺沼さんがホテルへ入る場面の写真が掲載されていた。

あの時のだ…!
それはわかるけど、どうして?

心臓がバクバクいってる。隣で琉嘉が…怒っていた。

「何よコレ…!」

「私が聞いてんのよ!写真を見たってセリカだってわかるわ!先週出掛けた時に着てた服だもの!」

「…いつ撮られたんだろう…」

「そんなことよりも、一体どういうつもりなのか聞きたいんだけど?家に帰ってたんじゃないの!?」

琉嘉にどう説明しよう?最初から?

彼女が怒ってるのは、写真を撮られた事じゃない。あたしが嘘をついた事だ…!

でも全てをちゃんと言った方がいい?
確かにその方がいいのは明らかなんだけど…

もっと上手に言えないかと考えを巡らせた。

だって、これ以上琉嘉を怒らせたくないんだもの。

だったら全てを言わなくてもいいんじゃないのかな?