「ちひろチャン」 いきなり、紗麻香ちゃんに呼び止められた。 ・・・何よ、遅刻寸前なのに・・・。 「・・・ちょっといいかな?」 何やら不吉な笑みを浮かべた紗麻香ちゃんは、あたしの手を引いて校舎裏に連れてきた。 「・・・あの、用事なら早くしてもらえませんかね? 遅刻寸前なんでそろそろ・・・」 「ちひろチャンてさ。 ・・・可愛いし、性格いいし、いい子だよね」 紗麻香ちゃんは後ろを向いたままそう言った。 ・・・なにが言いたいの?