【続】イニシャルはKK

蒼は信じられない様子でじっと私を見ていた。

「なんで…?なんで別れちゃったの?」

「響吾には、幸せに…なってもらいたいから!」

「意味分かんないってばー!」

いつの間にか泣き出す蒼。
ごめんね、心配かけちゃって。
でも…仕方ないんだ。

私は蒼に全てを話した。

左手が不自由な事。
リハビリは続けてるものの、現状ではナイフとフォークも使えない。
さっきのパスタもそう。
左手でスプーンを上手く掴めない。

「ごめん…ごめん歌音」

「蒼が謝る事じゃないってば」

「でも…こんなに近くにいて、全然気付かなかったなんて…親友失格」