【続】イニシャルはKK

抜糸が無事に終わり、退院の目途がついた。

「しばらく俺の家で預かります」

響吾がうちのお母さんにそう話した。

「いいよ、別に歩けるし。
利き腕が使えるから、アパートに帰っても大丈夫だよ」

「バカ言うな。
骨にヒビが入ってるし、片手で生活なんて不便だから!
病院も俺が付いて行きますし、リハビリも。
だからお母さんは安心して下さい」

「いいの、歌音?」

「ん…」

「じゃあ響吾さん、娘をよろしくお願いします」

「一生懸命 頑張ります!」

私は響吾に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。