……!! 響吾がビックリした顔で私を見た。 その驚いた顔が…困った顔になって…。 そっか。 響吾を困らせてるのは私なんだ。 私が困らせてたんだね…。 あのお店に行きたい、って言ったのは私なのに…。 響吾が選んだのは坂下さんだった。 それって…。 私は響吾に背を向けて歩き始めた。 「歌…音…」 呟くように名前を呼ぶと 響吾は私のところへ走り寄って来た。 私の腕を掴んで 「すまない、歌音…」 今にも泣きそうな声でそう言った。