そう言って席を立つ、正二の
足元がふら付く。
 
要は、正二の脇を支えながら
一緒に店を出て行った。

席には、庵と巴の二人きり・・

朱莉は庵の事が、気になった
けれど正二を見送りに店を
出て行く。

会長がいなくなった途端
トモエは煙草に火をつけ吸い
ながら、結んでいた髪を解いた

「あ~、疲れた
 会長さんの相手するのは
 本当、退屈
 まあいいわ、貴方に逢えたし
 
 ねえ、私、行きたいところが
 あるの、この店を出ましょう
 あなたの昔の女の顔も
 拝めたし
 もう、ここには用は無いわ
 もっと、楽しめるところに
 行きましょう」

変貌した彼女を嘲笑い
庵は言う。

「あんたの望みは何だ?」

「私の望みは、貴方を手に
 入れること、その為なら
 どんな事だってするわ」

「俺の事なんて
 好きじゃないだろ?」